同窓会でアラサー婚活④

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今バツイチ、派遣社員のぱるみいさん。10年ぶりに開かれる同窓かに出ようか出るまいか?答が出ない日々が続いていた。そんなとき誘われた中学時代のイケメン翔(しょう)くん。で、ぱるみいさんは結局翔くんに会うことにした。

 

いきなりここから読んで分からない人は1話前をどうぞ → ヨムヨム

 

 

翔くんは、もともと陸上の選手で、県内でも1、2位という足の速さだった。そして大学に行っても陸上部に入って結構活躍したらしい。

 

 

 

中学のとき始業式なんかで翔くんが陸上の大会で入賞して表彰されるのを何度か見たな〜〜〜翔くんが行った高校の壁に「陸上部〇〇大会優勝」という横断幕が下がってて、そこには翔くんの名前があった。オナ中だったからちょっと誇らしかった。そんな人だから、翔くんはちょっとした町の有名人だった。

 

甲子園で優勝するってほどの社会的一大事ではないのだろうけどもウチらの小さな町では、大人はみんな翔くんのことを知っていたと思う。ウチらの地域では一番の出来の良い子だった。

 

 

頭も良くて、陸上競技でも県大会のトップクラス。高校時代は女子バレー部のキャプテンB子と付き合ってた。それから東京の大学に行って、帰ってきてからも地元で唯一の大企業の会社に勤めてエリート街道を歩んでいる(たぶん今もイケメン)

 

こんな感じになってるんじゃないかな???

 

 

 

ほとんど口も聞いたことないけど、そんな翔くんから「会いませんか」って言われたことで、ちょと舞い上がった気分だ。そりゃ本当だ。なんで??会いたいのかな?ひょっとして?うふっ?これはひょっとするか???え??おい??ひょっとするかーー???

 

 

 

 

で、待ち合わせをした。

 

 

ウチらの街で待ち合わせと行ったらもう絶対ココ! ここしかないっ、ていう駅の広場があって、そこにした。学生時代はよく友達と待ち合わせをしていた思い出の場所だー。

 

イメージ映像 実際の街と関係ありません

 

 

今でも人通りは多い方だが、あの頃はもっとたくさんの人で賑わっていた。たぶんあの頃の半分くらいの人に減ったろう。やっぱウチらの街もサビれてしまい、みんな東京とかヨソの街に出て行ってしまってる。

 

 

OLさんらしき2人組が通る

 

 

 

サラリーマンが足早に通り過ぎて行く

 

 

 

 

 

大人数のグループがワーワー騒ぎながら通り過ぎる。

 

 

おじさんサラリーマンが通る

先輩後輩らしきサラリーマンの3人組が立って喋ってる

女子高生たちがワーワー言いながら通る。

駅に子供を迎えにきた主婦が軽自動車から降りて来る

また別のおじさんが通る

 

 

青いランドセルを背負った女の子がかけて行く、、、こんな人ごみの中で大丈夫かな?

 

 

またおじさんが通る

 

 

ん?さっきからしつこいなこのおじさん!なんども前を通ってるけど、

 

なんなんだこのデブなおじさん、、、???

 

おじさん? ん???ん?あれ?

おじさん???え? あれ?? この人は。 よく見ると??

ええええええええ

 

ええええええええ

 

 

まさか翔くん? 翔くんなの?うそー、まさか???翔くん?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アラーーー翔くんだった!!!

びっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりひえー!

 

まるで別人ダーーーー

 

 

うわーーーーーーーーーーーーーー

ショック!あまりにもショック!

あのカッコよかった翔くんが

おっさんになっている。よりによって

でっぷり太ったおっさんになっている。

 

 

 

 

オッサーン!

 

それも、誰が見ても間違いようのないオッサーンになってる

オッサーンの中でもチャンピオンクラスのオッサーンになってる

 

髪の毛も、、、うわー  髪の毛も、だいぶ後退してる

 

これは引く、かなり引いた 

 

 

アーラーラー

 

これは酷い(むごい)。むごたらしい、、、これは何かの呪いだろうか?

 

 

 

神様はあのカッコよかった翔くんを、どうしてこんなに違うルックスに変えてしまったの?

悪い魔女かなにかにブタヒキガエルに変えられる魔法をかけられたの????

 

 

うあーん、翔くーん、、、

 

10年前と全然違う人なんだもん、こりゃー参ったわー。

 

 

 

会わなきゃよかったかな?どうなんだろう???

綺麗な思い出は、思い出のままにしといてた方がよかったんだろうか?、、、

心が、少し帰りたがってる(笑)それが否定できない。

 

 

カッコよかった翔くんに呼び出されて、ちょっと浮ついていた自分がバカだった。

やばい、余りの変わりように、ドン引きしてるのが表情でバレそうだ。

 

 

 

 

すると、、、、

 

 

「ぱるみい?さん、、、ですか?久しぶりですね。いやー本当に」

 

 

そう言いながら、でっぷりしたオッサーンになった翔くんがちょっとスキップしながら近づいてきた!!!!!やばいー

 

 

 

 

 

ええーい。これはもう、腹をくくって会話をするしかない。顔よ、全力で笑顔を作れ!

 

でも声が引きつってしまう、、、

 

 

やばいよ、やばいよ、やばいよ、、、

必死に落ち着いて言葉をつないだ。

翔くん、なの? 随分太ったんじゃない?!

Facebookにいつも「いいね」つけてくれてありがとう。

と言いながら必死で笑顔を作った。

 

でも、もう今日はすぐ帰ろう!と心の中で決めた。

 

 

 

逆に、翔くんはすごく喜んでいた。

 

 

 

なんてコッター

 

 

ただ

でも、どうしてあんなにかカッコよかった人がこんな風になったのか?
それが不思議でならなかった。

 

 

 

そこで、どうしてこうなってしまったのか?その顛末くらいは聞いてみようかな?という気持ちになった。我々はワインバーに入った。

 

 

 

話を聞いてみると、、、

翔くんは、大学でも陸上部に入っていたらしく大学でもそこそこ活躍していたらしい。
就職は 割とスムーズに決まったという。

で 営業に配属されたんだと。翔くんの勤めたうちの地元の大企業は
営業がものすごい頑張る会社らしく、「鬼の営業」と恐れられていたらしい。

その中でものすごく頑張って業績を上げたんだそうで、同期の中でもグングン出世をしたという。接待などもびっちりこなして、まずそこでかなり太ったらしい。

営業マンとしてはとっても優秀で、立派なサラリーマンになれたけどその代価として、お腹でっぷりのアブラゼミおじさんになったわけだ

 

 

とはいえやはり大学まで陸上部で鍛えたからだ。

ただのブヨブヨのおじさんとは、違ってガシッと固太りのおっさんであった。

 

 

 

 

営業で鍛えられてるせいか翔くんの飲むペースは早い。

最初は緊張してたけど、お酒を飲んで陽気になってる

楽しそうにお酒を飲んではニコニコしているその笑顔は、やはり

中学時代の翔くんそのまんまであった

 

仕事がハードなせいか、しまいには疲れてウトウトしだした翔くん

 

おい!わざわざ女(私のことね)呼び出したんとちゃうんかい???

 

びっくりして飛び起きた翔くんが起き抜けに言った

「ぱるみいちゃん、本当にキレイになったね〜」

 

 

 

バカやろう、なーに今頃言ってるべ!!!

昔は、芋美(いもみー)ってバカにしてたっぺ?知ってるよーーー( ^∀^)

 

 

私たちは笑いあった。

 

 

頭の中に抱いていた小さなロマンスは音を立てて崩れ去った。

 

でも翔くんはいい人だった。

 

 

太ってしまい、昔の翔くんに比べれば随分おっさんになってしまったけどとっても「いい人」のままだった。

 

一つ安心したのは:あの頃、あんなに頭も良くてかっこよかった翔くんだってこんなオッサーンになってしまったのだ。

 

 

 

人間は一生ずーーっと美人だったり、ずーっとイケメンだったりはしない。シーズンがあるのだ。人はそれぞれ一番美しく輝くシーズンがあるのだ。それが学生時代に来る人もいれば、中年になってから来る人もいるだろうし、おばあちゃんになってから可愛いばーさんになる人だっているだろう。人にはそれぞれシーズンがあるのだ。

 

 

 

いい思い出はあんまりなかった中学時代、、、
今度の10年ぶりに開かれる中学の同窓会

 

 

最初は行くのに全然乗り気じゃなかったけど、今は行ける気がする。

むかしは、芋美(いもみ)って言われてバカにされたけど、、、

 

お前ら、オラ今はちょっとイケてっからな!

 

イモみじゃねーっから。「ぱるみい」だ!!!

 

 

 

で、中学の同窓会に行く決心がついた。

素敵な再会まってるどーーーーー!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

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